以前の失敗に懲りて、必要以上に用心することをいう。「あつもの」は野菜や魚肉などを入れてつくった熱い吸い物であり、「なます」は酢などで調味した冷たい料理であるのに、熱いスープで口にやけどをした人が、つぎの機会には冷たい料理も吹いて冷ます愚かさを笑う言葉。
〔類〕蛇に噛(か)まれて朽縄(くちなわ)におじる/舟に懲りて輿(こし)を忌(い)む
〔出〕楚辞(そじ)
〔会〕「やけに今回は慎重じゃないか」「以前に痛い目にあってるからね」「心配しすぎだよ。羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く例もあるぜ」